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What's Door Stabilizer?



 この”ドアスタビライザー”という聞きなれないパーツは、2012年に86専用品として発売を開始し、2013年にはトヨタ車汎用品も追加で発売以来好評を頂いている商品である。

 TRDではこれまでボディ剛性を強化する部品としてメンバーブレースやタワーバーといった商品を世に送り出してきた。これらを”適切な強度を最適の位置に”という考え方で調律することで、サスペンション本来の性能を引き出そうとしてきた。

 しかしこれらのアイテムでは補強できない箇所があった。それが”ドア”である。ドアとボディの間には隙間があるのは当然だが、コーナリング時にこの隙間を中心にボディが伸縮してしまう。その結果ステアリング操作に対して車両の応答性=車両の動きが遅れてしまう要因になっていた。

 この車両応答性を解消するために誕生したのがドアスタビライザーである。これはボディ側の専用ストライカーと、ドア側のスペーサーで構成されており、この二つが密着することで隙間をなくしている。

 この専用ストライカーにはスライド機構が備えられてあり、車両がコーナーなどでわずかに伸縮した際にも、隙間を常にゼロに保つことができる。いかなる状態でもボディとドアが一体となって剛性が向上する。その結果、ステアリングの操作に対して素早い応答、リニアな動きを実現。それは言い換えれば”自然なハンドリング”となる。



   

Door Stabilizer for ALPHARD



 ドアスタビライザーの知名度向上と、簡単でわかりやすい効能からか今までなかったミニバン用ドアスタビライザーへの要望を多数頂くようになった。

その多くのご要望にお応えしようと様々な検討の末、アルファード向けにドアスタビライザー&ブレースセットの開発に至った。

 なぜドアスタビライザーだけでなくブレースまで付属されるのか。そのためには、なぜすぐにトヨタ車汎用品をミニバンにも装着可能としなかったのかという話をさせて頂きたい。

ミニバンのスライドドアはストライカーの形状が車種ごとに異なり、かつ特殊な構造であるので今までのストライカーは物理的に装着ができない。

 だが、ミニバンといえどもフロントドアはトヨタ車汎用品のドアスタビライザーが装着可能。そのため、フロントドアだけの装着もテストを実施した。だがそれは当然”適切な強度を最適の位置に”の補強にならなかった。むしろハンドリングを悪化させてしまう結果だった。

 多くの解析とテストの結果、フロントドアはトヨタ車汎用品のドアスタビライザーを装着し剛性を確保。さらにボディ下部に装着されている標準装着のブレースを、強化したものへと交換しバランスチューニングを実施した。その結果、スライドドア部分もドアスタビライザーを装着した場合と同等の剛性を確保、それは”適切な強度を最適の位置に”の補強といえる。

 これは他車種と同様、ステアリングの操作に対して素早い応答、リニアな動き、”自然なハンドリング”を実現している。