2012年86の登場とともに発売したドアスタビライザー。
　ドアとボディの間にはわずかな隙間が生じている。コーナリングの際にはこの隙間を中心にボディが伸び縮みする。それはステアリング操作に対して車両の動きを遅らせる原因となっている。この隙間をスライド機構付のスペーサーで埋めることで、車両がコーナーなどで伸縮した際にも、隙間を常にゼロに保つことができる。これにより、ボディを一体とさせ剛性が向上し、ステアリングの操作に対してよりリニアなハンドリングを実現させることができる。
　この商品はブログやSNSを中心とし、爆発的な評判を頂いている。同時に他車種、特にミニバンへの設定要望を多々頂いた。その要望にお応えする形でまずアルファード・ヴェルファイア向けにドアスタビライザー&ブレースセットを発売した。フロントドアは汎用品のドアスタビライザーを装着し、剛性を強化。スライドドア部分にはボディ下部に装着されている標準装着のブレースを強化したものに交換し、ドアスタビライザーを装着した時と同等の剛性を確保。ボディ全体を均等に剛性強化することで、他のドアスタビライザー設定車種と同様のリニアなハンドリングを実現している。
　そして今回、ノア・ヴォクシー・エスクァイアのマイナーチェンジに合わせて、ミニバンとして2車種目の設定を行った。本車種はアルファード・ヴェルファイアと異なり、左右に均等に配された棒状のブレースがベース車になく、車両後方にあるブラケットを強化する手法をとった。また、ガソリン車とハイブリッド車でそれぞれ異なる位置のブラケットを強化することとした。これはTRDのこだわりポイントであり、より最適なハンドリングとなるようにチューニングする為である。

　TRD Sportivoサスペンションは単純にサスペンションを固めるのではなく、ステアリングを操作し、4輪に力がかかる順番を整えることとした。これは、応答性、車両姿勢をTRDの味にコントロールする為。つまり、路面からの入力に対しては柔らかく受け止め、ボディの動きをゆっくりかつフラットにするという乗り味である。

　タイヤは路面に接する唯一のパーツである。ノア・ヴォクシー・エスクァイアでは「GOODYEAR EAGLE RV-F」をコントロールタイヤ＝評価時のタイヤとして使用してきた。

　10本スポークとデザイン的にシンプルでもあるこのホイールはサスペンションやアームからの力をタイヤへ均一に荷重を伝達するためのデザイン。それは剛性と軽量化を両立できる形状といえる。