1981年に「一人でも多くの人に、クルマの楽しさを伝えていきたい」というコンセプトで、日本ではじめてワンメイクレースを開催したTRD。その想いは時を経た2000年になっても系譜されていた。
モータースポーツは非常にお金が掛かる。マシンに掛かる費用は当然として、参加費や旅費、マシンを運搬する輸送費など、下層カテゴリーであっても年間に数百万円はくだらない。一般のサラリーマンがちょっとクルマに興味を持ったからといって始められるほど、レースの敷居は低くないのが当時の常識だった。
しかし、2000年、TRDが新たに始めた試みは非常に画期的だった。ヴィッツによるワンメイクレース「Netz Cup Vitz Race」により、今まで自動車業界ではタブー視されていたナンバー付き車両でのレースを企画、開催したのだ。さらに、全国のネッツ店からナンバー付きレース車両「Vitz TRD-MSB」の販売までも行ったのである。
マシンが普段の足として共用できること、サーキットまでの輸送費を気にする必要がなくなるなど、ナンバー付きレース車両のメリットは大きかった。またベース車を安価な1000ccヴィッツにすることで、ローコストでレースを楽しむことができた。そしてレースも、マシンのイコールコンディションを徹底したことで、開幕当時から爆発的な人気を呈した。
翌々2002年には「Vitz TRD-MSB」車両の入門モータースポーツ活用策として初心者向けラリー「TRD Vitz Challenge」を開催。
このころ、多くのラリーは高額な4WDや広い改造範囲の車両で深夜の山奥で行われており、参加するにはやはり敷居が高かった。そこでTRDは「ワンメイク(安価でイコールコンディション車両)」、「1デイ(日帰り)」、「デイラリー(日中開催)」、「WRC方式(SS(タイム計測区間)をリエゾン(一般道移動区間)で繋ぐWRC方式の採用」をコンセプトに「ニュースタイルワンメイクラリー」と銘打った“TRD Vitz Challenge”を企画した。
ラリーはレースと異なり、取得がより容易な国内B級ライセンスで出走できるほか、SSと呼ばれる競技区間のタイム計測は単独走行にて行われるため、他車との接触を気にすることがありません。また、助手席には2人目のクルー「コ・ドライバー」が必要とされるため、親子・カップル・学生などモータースポーツ初心者を取込み、和気あいあいとした雰囲気でファンを拡大。ヴィッツのみの単一車種にもかかわらず、多い時には40台以上のエントリーを集めるラリー競技として注目された。
その後86・アクアなどのクラス新設により、多くの車両と幅広い層の方が参加できるように進化し、2016年からは「TOYOTA GAZOO Racing Rally Challenge」と名称変更して参加上限の90台を超えるエントリーを集める人気イベントとして継続開催されている。
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