【第4回】進化し続けるワンメイクレース

ワンメイクレースの隆盛。進化を続けるNetz Cup Vitz RaceとGAZOO Racing86/BRZ Race。

2000年に開幕したNetz Cup Vitz Raceの参加車両はモデルチェンジに伴い2006年にNCP91型(Vitz RS “TRD Racing”)へ、2012年にはNCP131型(Vitz RS “Racing”/2017年からVitz GR SPORT "Racing Package")へと進化してきた。

途中、コストダウン、イコールコンディション徹底のための対策、ナンバー付であるための法改正への追加対応など、常に車両やレギュレーションを進化させながらエントリーレースとして多くの参加者を集めてきた。

そして2020年まで21年間続いたVitz Raceは車両モデルチェンジに伴い、2021年にスタートした“TOYOTA GAZOO Racing Yaris Cup”へそのコンセプトを引継ぎ、現在も多くの参加者に支持され開催されている。

一方で2012年新しく発売された待望のFRスポーツ“TOYOTA 86”により、トヨタワンメイクレースとして新たな進化の時を迎えた。FRスポーツカーでレースを楽しみたい新しい参加者を視野に入れた86によるワンメイクレースの立上げであった。

TRDは更なるワンメイクレース全体の底上げを狙い、「スターレット&レビン/トレノ」「ヴィッツ&アルテッツァ」の過去のレース経験からも車両やコンセプトが異なれば、それぞれのレースへの参加者がいることから、Vitz Raceに加えて86によるワンメイクレースの開催を決定した。

発売前から多くの話題を呼んだ“86”。
途中、兄弟車の“SUBARU BRZ”の参加も決まり、トヨタと富士重工(現SUBARU)、TRDとSTIとのメーカーの垣根を超えた新たなワンメイクレース車両の「86“86Racing”」「BRZ“RA Racing”」が完成。

迎えた2013年、“GAZOO Racing 86/BRZ Race”は開幕戦から80台を上回る参加を集め、初参加の人やVitz Race経験者、スーパーGTなどに参加する現役トップドライバーまでと、多彩な顔ぶれで賑わった。

勢いは止まることを知らず、翌2014年はさらに加速し、のべ年間参加台数は699台にまで成長して、Vitz Raceをも上回り国内最大のレースになった。2015年はその盛り上がりゆえ、プロアマの2極化が進んだドライバー構成や、熾烈なタイヤ競争を踏まえ、参加ドライバーと使用タイヤ規制などを区分した2シリーズ制を導入。

2022年から86もGR86へのモデルチェンジに伴い、コンセプトをさらに昇華したGR86/BRZ Cupへと引き継がれていく。

「一人でも多くの人に、クルマの楽しさを伝えていきたい」というTRDの想いは、着実に広がりを見せている。

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