目に見えないチカラだからこそ難しく理解しがたい部分ともいえる「空力」
タイムを競うレースカーではないからそんなもの必要ない。そもそもそんなにスピードを
出すこともないからわからないという意見もよく耳にする。
一方で、「高速道路のほうが乗り心地が良いんだよね」という意見も耳にする。
前述のNEXT FUTURE 1で上げた「高速道路での乱流」もしかり、ドライバーは空力を
日常的に体感している。
具体的には、野球における変化球。これは時速80km程度でも小さなモノが回転すること
により発生する抵抗がかわることで変化球となる。
誰が乗っても体感できるエアロパーツ。
IS F CCS Partsでも追及したこのコンセプトにRC Fでは更なる進化の為に要素を付与する
ことにした。
「流麗なクーペボディラインを妨げることないエアロパーツ」
「ドラッグは少ないが必要なダウンフォースが得られるエアロパーツ」
文章で書いてしまうと簡単だが、これは相反する要素で非常に困難なこと。
一例として、高速道路走行レベルの速度域以上では車両が浮き上がる傾向になる。それを
安定させるためにより多くのダウンフォースが必要となるがそれはドラッグ(抵抗)となり
加速、最高速などにも悪影響を及ぼす。
その最適値を探すため、風洞実験やCFDを繰り返し、そのデータを空力エンジニアが解析、
形状を決定する。
その意見をデザイナーは「より美しい」ものとなるようにクレイ(粘土)で形状を造作し
調律していく。
「空力」これは風を意のままに操ることができる我々ワークス最大の武器といっても過言
ではない。
「車両重量バランスは50:50がベストだ」
「トラクション性能に優れたミッドシップで40:60が理想」
「フロント荷重がかけやすい前輪駆動で65:35くらいがちょうどよい」など。
クルマ好きが3人程度集まるとありがちな、よくある会話の一例です。
この議論はあくまで静止状態での話。時速100kmで走行中にウィングにより
50kgのダウンフォース=重さがリヤにかかったとしたら・・・
「走行状態でのバランス」は見えない空力が大きく作用するがゆえかレース
カーでは語られることはあっても市販車では少なかった。
空力で具体的に何を変えたい、何を目指すか。
この考え方により様々な形状や効能が生まれるが、我々の目指すモノは
「もっと踏みたい、もっと踏める、もっと乗りたい」と思える味。
いかなる状況下でも安定した車両を造るため、究極のバランスを追い求め
形状は追求されていく。
すべては「最適解=機能美」を目指して。
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