GRといえば、「TOYOTA GAZOO Racing」のレース活動をイメージする人も多いと思いますが、TCD(トヨタカスタマイジング&ディベロップメント)が手がけるGR PARTSの開発思想は“ストリートスペシャル”です。
ベースとなる車両を“日常領域”でより楽しく、より快適に運転できるクルマへ昇華するべく開発を行っています。そのため、スポーツモデルだけでなく、コンパクトカーやミニバン、SUVなどにもGR PARTSをリリースしています。
誰がどんな速度域で乗っても、不快な振動や揺れを極力減らし、ハンドルも切ったら切った分だけ曲がるリニアなハンドリングを目指しています。車との対話を楽しめる、ずっと乗っていたくなる、そんな乗り味を徹底的に追及することでトータルバランスの高いクルマを生み出しています。
トータルバランスを実現できている理由のひとつが、ベースとなる車両を開発しているトヨタ自動車との情報共有化という部分が大きいと考えています。車両開発と同時に、そのキャラクターや個性などを理解すること。さらには、CADデータまでを解析することでより私たちの考えるお客様に即した車両性能、性能向上につなげることができます。
平野:例えばGRヤリスとクラウンクロスオーバーでは使われるシーンや環境が異なります。同じ“ストリートスペシャル”を目指し、開発しても性能の磨き上げ方のバランスが違うといったイメージです。車の特性や求められる性能によって、GR PARTSの品目や性能が最適となるように考え、徹底的に作り込んでいます。
平野:本音を言えばうちのパーツで全部揃えて欲しい、という想いはあります。なぜならフロントやサイド、リヤといった、全てのパーツを含めてのトータルバランスがGR PARTSの最大の強みだからです。もちろん、部品単体でも操縦安定性向上などが図れるように開発をしています。ただし、そこに他社製品を加えるとどんな影響が出るかは未知数なので、足し算のつもりが引き算になる場合も考えられます。それぞれのパーツの良い所取りをして、見た目はプラスになった気がしても、いざ運転してみるとハンドリングや乗り心地が前より悪化した、ということになる可能性もあります。
平野:私たちはお客様に運転をもっと楽しんでいただきたい、期待以上の満足を感じていただきたいという想いを込めて、モノづくりをしています。私は企画という立場上、さまざまな決定権を持って仕事に臨んでいます。解析や実験、デザイン、設計、販促などさまざまな部署と連携し、それぞれの意見を聞きながら最終決定を下していきます。自らが定めた目標性能に到達させるための責任を背負い、日々仲間たちと研鑽を重ねていますので、それぞれの想いや開発にかける熱量も感じて欲しいですね。
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